三
三
「では、ゆっくりお休みになられていてください。あの世でね」
男は言うが否や抜刀し、アリーナの首目掛けて剣を走らせる。
アリーナは男の一閃を腰を落としてかわし、逆に脚払いを掛け、携帯していた短剣で男の喉に刃を放つ。
剣撃は男の喉にはではなく、頬に掠った。その下からは赤い血でなく、人の皮膚が見えた。クリムゾンやレジスタンスが使用している変装用の人工皮膚だ。
この段階でアリーナは疑惑を確信に変えた。
「敵襲よ!隊を整え直しなさい!」
分隊の休んでいる部下達に命を下す。
だがこの状況を理解しきれない彼女の部下は本隊に扮した何者かの奇襲をまとに受けてしまった。外にいた者は背後から突然の斬撃を背中にあび、テントの中にいた者は武器を置いた休憩中に心臓を刺されてしまった。
「こ、これは一体?!」
なんとか奇襲を避ける事が出来た部下の一人が駆け寄ってくる。もっとも、突然の攻撃に無傷という訳にはいかなかったようで、彼は肩に傷を負っている。
「この者達は本隊ではないわ!何者かが偽装しているのよ!」
しかし、いくら疲労していたとはいえ、訓練された者の動きと素人の動きが判別出来なかったとは……