五
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少女を黙らせるには外に連れ出してはしゃがせればいい。そうすれば自分に質問されることはないだろう。
子どもについて詳しく知らないバーンハルトはそう考え、村の調査の案内役を少女に頼んだ。狙いはあたった。どういう訳か、少女は外に出ると喋らなくなるのだ。人見知りが激しいのだろうか。しかし、それだと見知らぬ赤の他人である自分になつく理由が説明出来ない。が、そんな事を考える余裕は彼になかった。いや、与えられなかった。
(俺は、何か、とんでもない勘違いをしたかもな)
深く、深く溜息を吐き出す。少女ははしゃぎながらバーンハルトの手を引っ張ってあちこちに走り回る。その体力は無尽蔵なのか、とにかく止まらない。走るのが基本であり、歩く事はほとんどない。
(下手な夜盗よりよほどたちが悪い……)
げんなりとしながらもバーンハルトは少女の後を追う。
部下の報告では四方に点在する数キロ離れた村では黒死病はないそうだ。この村の黒死病を沈静化できれば問題は全て解決するのだが、これは容易な事ではない。感染源は夜盗が撒いたウイルスであることはレジナスの資料から判明している為、夜盗を壊滅させればウイルスがこれ以上拡散されることはない。
しかし、このウイルスは兵器用に開発された空気感染する厄介なタイプだ。小動物が運んだり、風に乗って飛散したウイルスにどう対処するか、という問題がある。